ごみ、リサイクル、防災、協働、まちづくり。地域の問題に取り組むシンクタンク ダイナックス都市環境研究所

離島の観光と3R

代表取締役所長 山本耕平

要旨

離島では観光客の増加によるごみの処理が大きな問題である。自治体の規模が小さく、単独ではごみ処理施設の整備やメンテナンスが難しい一方で、広域な処理体制もとりにくい。

リサイクル関連法によって離島でもリサイクルが進んでいるが、選別や保管、島外への搬出など法律が想定していない問題がある。また、ごみを海上輸送しなければならず、業の許可の問題や輸送コストの問題等、離島特有の問題がある。離島では漂着ごみや海岸打ち上げごみも問題となっている。回収のための人手や処理費用が足りないために十分な対応ができていない。ごみの発生抑制のためには、島内でリユースする容器の使用など島内循環の仕組みづくりや、散乱ごみ対策としてのローカルデポジットの導入、使い捨て容器包装の規制など、離島ならではの独自の施策の導入が求められる。

キーワード:離島の広域処理, ごみの海上輸送, 漂着ごみ, 島内循環

1. 離島のごみ問題の特徴

島国である日本は多数の島々で校正されており、国の統計によると北海道・本州・四国・九州を含めた日本の構成島数は6852と推定されている(表1)。日本離島センターによると、そのうち有人の島は303島である(2010(平成22)年4月1日現在の住民基本台帳登録)。

国土構成島

地域 構成島数
全国 6,852
北海道 509
本州 3,194
四国 626
九州 2,160
沖縄 363

日本統計年鑑2015(平成27)年 総務省統計局

離島は豊かな自然を残しており、近年はマリンレジャーだけでなく離島の文化や生活を楽しむ新たな離島観光が注目を集めつつある。観光は離島の経済にとって重要な産業となっており、農漁業などの一次産業より観光を初めとする第三次産業の従事者が多くなっている。

離島の観光地の共通の問題は、住民よりはるかに多くの観光客が来島することによってごみ処理体制が追いつかないことである。

かつては多くの島でオープンダンプのごみ捨て場が見られたが、ごみの処分場としては不適格であるため閉鎖された。そのため焼却炉や最終処分場の整備が進められたが、沖縄県の離島自治体では溶融炉のような新たな処理技術を導入して失敗した例など、過大な処理施設が財政的な負担になっているというケースも少なくない。

また土地が狭いために最終処分場を設けることが困難な島も多く、島内で処理できないごみは海上輸送して島外に搬出しなければならない。離島固有の問題として、こうした海上輸送に係る問題がある。容器包装廃棄物や家電製品などについても、リサイクルするためには島外へ搬出する必要がある。産業廃棄物に関しても同様で、廃棄物処理のコストは海上輸送費用分だけ高くなる。

離島固有の問題とはいえないが、深刻なごみ問題として「漂着ごみ」の問題がある。海岸に漂着するごみは世界中で問題となっているが、回収の費用や労力などの点で本州の海岸よりも離島の方が、対応が難しい。

次節ではいくつかの離島の3Rの実態を紹介したい。(*1)

2. 離島の3Rの実態

2.1 石垣島(沖縄県石垣島)

石垣島は沖縄県八重山諸島の中心で、沖縄県では沖縄本島、西表島に次ぐ3番目に大きな島である。人口は約4万9000人だが、年間の観光客数は約72万人にのぼる。

石垣市は1997(平成9)年6月2日から可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみ、粗大ごみ、有害ごみの5種分別を開始した。2008(平成20)年度からは容器包装プラスチックの回収も行っている。

缶、びん、PET-ボトル、容器包装プラスチックは透明の袋で週1回収集し、最終処分場に隣接する中間処理施設で選別、圧縮梱包している。市の施設に隣接して民間業者が古紙のベーラーを設置し、収集した古紙、選別されたペットボトル、容器包装プラスチックをプレスしベール化する業務を受託している。この業者が古紙、PETボトルを市から買い取り、島外へ搬出している。粗大ごみとして回収される電器製品については、埋立処分量を減らすとともに、希少資源の回収を目的として手作業で解体して電子基盤を回収し、沖縄本島へ送っている。

基本的にすべての資源物は島内では処理できないため、沖縄本島へ海上輸送している。市が回収した資源は地元を含め、リサイクラーに入札しているが、古紙を除いて本島までの輸送費は市が負担している。

海上輸送は10フィートのコンテナ(長さ約3m×幅2.5m×高さ約2.5m)を使う。離島の港湾施設はヤードが小さいので、小回りのきく小さいコンテナを使っているケースが多い。海運業者によると運賃は通常10フィートのコンテナで約15万円だが、再生資源の場合は約4万円と、かなり安く設定しているという。しかし廃家電のように収集費を市民が負担する場合は、内陸部よりも運賃負担がかなり大きくなる。

石垣島は焼却施設と最終処分場が整備され、リサイクルの体制も整っており、一般廃棄物の適正処理体制は格段に向上した。民間リサイクル事業者との連携、海運業者との協力体制もできている。しかし海上輸送能力はそれほど大きくはないので、生活物資が優先される場合や荒天等で出荷できない状況になるなど、一定の輸送路は確保されているが不安定であるのが実情である。

また回収した資源物の安定的な引取先の確保が課題である。容器包装廃棄物についてはPETボトルは独自ルートで輸出(2011(平成23)年度時点)、プラスチック製容器包装は(財)容器包装リサイクル協会(以下、容リ協会)ルートで処理されている。それ以外の古紙、スチール缶、アルミ缶、発泡スチロール等は、それぞれ県内の再生資源業者や製鉄所まで輸送して売却している。売却価格には輸送コストが含まれるために、沖縄本島と比較して不利な状況にある。

2.2 西表島、小浜島(沖縄県竹富町)

西表島は沖縄県では沖縄本島に次ぐ2番目に大きな島で、竹富町に属する。小浜島は竹富町に属する9つの有人島の一つである。

竹富町は、西表島・竹富島・小浜島・黒島・波照間島・鳩間島・新城島・加弥真島、由布島の9つの有人島と、7つの無人島からなる。各島は東西約42km、南北40kmと広範囲に点在し、各島への航路が石垣島を起点としていることから町役場本庁舎は石垣島内にある。町の人口は約4000人で、西表島の人口が最も多く約2200人、小浜島の人口は2番目に多く約600人である。平成22年の1年間の観光客数は約89万人もある。

竹富町では2005(平成17)年度から分別収集を開始し、2010(平成22)年9月1日からごみの有料化を開始した。分別区分は可燃ごみ(もやすゴミ)、不燃ごみ・有害ごみ(もやさないゴミ、有害ゴミ)、資源ごみ、粗大ごみの4区分で、粗大ごみを除いてそれぞれ各週1回収集、粗大ごみは申込み制で月2回収集である。

可燃ごみは島ごとにバッチ式焼却炉で焼却し、焼却灰は西表島の最終処分場で処分する。資源物は西表島の資源化センターで処理している。

竹富町では、生ごみ・落ち葉・貝殻は収集しない。生ごみ類は自家処理するか、各島の公民館等に設置した大型生ごみ堆肥化容器(地中に大型の容器を埋設して自然分解する方式)に各自で投入することとなっている(図1)。可燃ごみとして収集しているのは、紙おむつや衛生的に焼却が必要とされるごみに限っている。

図1

図1 大型の生ごみ処理容器(竹富町小浜島)

竹富町の島々は石垣港を経由して航路が設定されており、中心となる西表島と各島とを直接結ぶ航路はほとんどない。そのためすべての物資の輸送は石垣港を経由して行われており、いったん荷揚げして別の船に積み替えているため輸送効率はきわめて悪い。町によると、西表?石垣間の海上輸送費は10フィートのコンテナで片道3万円かかる。竹富町の町内(島嶼間)の輸送費はトンあたり3万5千円かかるという。焼却灰はフレコンバッグに保管し、月1回〜2月に3回の頻度で4tのユニック車が各島を回って回収し、車ごとフェリーに乗せて西表島まで輸送する。

かつてはそれぞれの島の中で野焼き、埋め立てをしてきたが、現在は西表島にごみ処理施設を整備し、資源物の中間処理と焼却灰等の最終処分はここで行うシステムになっている。資源物は島ごとに保管所があり、ここで選別し、また一部の島では簡易なプレスまで行っているが、段ボール(食料や生活必需品の輸送のために大量に発生する)は圧縮できないために輸送効率が悪いことから、すべて焼却している。

島ごとに小型焼却炉を整備しているために、施設の運転や維持管理に費用がかかることも問題である。

2.3 伊豆大島(東京都大島町)

伊豆大島は伊豆諸島最大の島で、東京の竹芝桟橋から2時間で行くことができる。伊豆大島の人口は約8,500人である。観光客は年々減少しており、2010(平成22)年の観光客は最盛期である1970年の約77万人から76%以上減少し、約18万5,000人となっている(伊豆諸島・小笠原諸島観光入込実態調査報告書)。

大島町の分別は可燃ごみ、資源ごみ、有害ごみの3分別で、粗大ごみは処理施設に自己搬入することとなっている。資源ごみは金属(電化製品、飲料用以外の缶、小物金属類)、飲料缶、びん・ガラス・瀬戸物、ペットボトル、発泡スチロールに分別して収集している。

可燃ごみは島内の清掃工場で焼却処理し、焼却灰も島内の最終処分場で処分している。焼却施設は大島町循環型焼却・汚泥再生処理センターが2014(平成26)年度から稼働している。最終処分場は、東京都島嶼町村一部事務組合の広域処分場と町単独の安定型処分場がある。

資源ごみは民間委託して中間処理を行っており、月に1〜2度、島外へ搬出している。海上輸送のための経費がかかるため、紙類は島内で焼却し島外には搬出していない。利島のペットボトルや発泡スチロールも大島で処理を行っている。

広域処分場は、当初は伊豆諸島を北域、中域、南域に分け、処分場を設置することとし、2006年には大島に、2012年に八丈島に設置された。

伊豆諸島の場合も八重山諸島と同様に、各島からはいったん東京港を経由してから大島や八丈島に輸送しており、コストがかかることが問題である。

2.4 チャム島(ベトナム国ホイアン市)

離島のごみ対策として、レジ袋(ベトナムではビニール袋という)を全面的に禁止した例として、ベトナム中部クアンナム省ホイアンのチャム(Cham)島の例を紹介する。ホイアンは旧市街地が世界遺産の都市で、朱印船時代に日本人町があったとされる。ホイアンの沖合19?離れたチャム島群は、15?に大小8つの島々が浮かぶ。この島々はユネスコ生物圏保護区に指定されており、マリンレジャーにも人気の島となっている。

チャム島はもともと漁業の島だったが、観光客増えるにつれてごみがあふれるようになった。観光客が持ち込むごみもあるが、観光化による生活様式の変化が大きい。特にビニール袋の使用量が増え、島内に投棄された袋等が海に浮かび、自然の島、美しい海という魅力は失われつつあった。

そこで2009年5月からチャム島管理事務所等が中心となって「ノー・ビニール袋」運動を開始し(図2)、市場では販売にビニール袋を使わないことを約束させるとともに、各家庭に買い物かごを配布した。市場の商人たちは、肉や魚などの包装にはバナナの葉などの伝統的な材料を使っている。島の店々は観光客への販売には分解しやすい紙袋を使うようになった。その結果、海岸に打ち上げられるビニール袋は激減し、環境は大きく改善された。

図2

図2 チャム島の市場の入り口(ノー・ビニール袋のスローガンを掲げる看板)

実はチャム島の取り組みは、沖縄リサイクル運動市民の会(OCRM)が草の根ODAとして取り組んできた「ベトナム固形廃棄物3R啓発推進プログラム(那覇モデル)」の成果である(*2)。沖縄ではOCRMが中心となって呼びかけて、県下全域のスーパーでレジ袋削減と有料化にいち早く取り組んできた経緯がある。沖縄でのレジ袋削減の取り組みに影響を受けて、現在ではホイアン市全域で「ノー・ビニール袋」運動が推進されているが、チャム島はその嚆矢としてスタートした。

チャム島の成功の背景には行政のリーダーシップがあったことはもちろんであるが、ビニール袋が島内の環境を著しく損ねる状況になっていたこと、離島であるためプラスチック類が増えると島内でごみ処理ができない(埋め立てる場所がない)、人口が3,000人程度で住民の協力が得やすい規模のコミュニティであることなどがあげられる。

離島という地理的環境とコミュニティの規模を逆手にとって、ビニール袋のリデュースという政策が効果をあげたといえる。

3. 漂着ごみの問題

海岸に漂着するごみは全国的に大きな問題であるが、特に離島では深刻である。宮古島は2008年3月に「エコアイランド宣言」を行い、太陽光、風力、バイオなど再生可能エネルギーの利用やエコツーリズムなどに取り組んでいる島であるが、漂着ごみの処理に苦慮している。漂着ごみはウキや漁具をはじめ、組成上はほとんどがプラスチックで、クリーンセンターではそのまま焼却できないために、専用の焼却炉を設置して処理している。しかし処理能力はまったく不足しており、処理しても常に新たなごみが漂着するため、財政的にも大きな負担になっている。

かつては観光客等が海岸で空き缶等をポイ捨てすることが問題となったが、漂着ごみといわれるものの要因は観光客等がその場でポイ捨てしたものでなく、海流に乗って遠方から流れ着いたものである。内陸でポイ捨てされたものが河川を経由して海に流出し、それが海流や風で運ばれて海岸に流れ着く。また漁船や船舶から投棄されたごみも大きな要因であるとされる。東日本大震災では津波で大量の震災廃棄物が流出し、太平洋を越えて漂着しているし、小笠原諸島の近海では珊瑚の密漁船が投棄した漁具やごみが漂着して問題となっている。(*3)

漂着ごみの多くはプラスチックで、生態系にも大きな影響を及ぼしている。漂着ごみを回収しようとしても、特定の海岸に繰り返し大量に漂着することや、人が近づけない海岸や無人島にも漂着すること、清掃ボランティアだけでは回収しきれない大きなごみや危険物も漂着するため回収が困難であること、回収しても塩分が付着したりプラスチックが多いことから特に離島のような小さい自治体では処理が困難である。

環境省によると、海洋に流出するごみの量は世界全体で年間600〜700万トンにのぼるとされており、国境を越えた広い範囲に広がっている。環境省の資料(*4)によると、宮古島での漂着ごみ(PETボトル)の国別割合は中国が53%と圧倒的に多く(図3)、自治体としては発生抑制を講じるすべがないことを示している。

2009年7月に「海岸漂着物処理推進法」が制定され、漂着ごみの発生抑制と回収・処理に関して、国や自治体、海岸管理者等の役割分担が整理されたが、離島では回収に従事するマンパワーが足りないことや処理施設の不足、財政不足などの問題があり、なかなか有効な手立てを講じることができないというのが実情である。

図3

図3 漂着ごみ(PETボトル)の国別割合
環境省パンフレット「漂着ゴミについて考える。私たちの海を守るには?」

4. 離島の3Rの課題

離島の3Rについて具体的な事例を紹介してきたが、これまでの調査や知見に基づいて、離島の3Rの課題を整理すると、以下のようにまとめることができる。

4.1 ごみの処理

離島ではごみ処理施設を整備しても、人口が少ないために処理するごみに対して施設の能力が過剰なケースが少なくない。そのためメンテナンスにコストがかかり、故障した場合に迅速な修理が難しいことも問題である。産業廃棄物と一体的に処理する等、稼働率を上げることも検討する必要がある。

離島のごみ処理の優れたモデルとして評価できるのは竹富町(西表島、小浜島、竹富島など)のケースで、焼却ごみは紙くずやおむつなど最低限のごみに限定し、生ごみは住民が自分で処理している。生ごみを除くことで残りのごみを扱いやすくなり、小型焼却炉も安定的な処理が可能となっている。このような方法は、他の離島でも十分に取り入れられる方法である。

4.2 海上輸送

離島固有の問題として海上輸送がある。海上輸送は船への積み降ろし、コンテナの取り扱い等の手間がかかり、陸上輸送に加えてその分のコストがかかる。

航路の制限があり、竹富町では各島は石垣港経由の航路でしかつながっていないため、特に輸送の効率が悪い。伊豆諸島も島と島の間の航路は限られており、東京港を経由しなければならない。また輸送に係る業の許可の問題もあり、都合の良い航路を柔軟に利用して、コンテナ積みしたごみを運ぶということができないことも問題である。

竹富町の場合、各島の焼却灰をドラム缶に詰めて、コンテナに積み込んで港まで陸送し、船で石垣港へ輸送する。石垣港ではいったんコンテナを下ろして別の船に積み替えて西表島に輸送、トラックで処分場まで搬送し、ドラム缶を開封して処分場に投棄するという方法をとる。量がそれほど多くないので特段の問題はないが、竹富モデルを他の離島に敷衍する場合は輸送の方法を工夫して効率化を図る必要があるかもしれない(図4)。

図4

図4 10フィートコンテナに詰められたPETボトル(宮古島)

廃棄物の陸上輸送においては、飛散防止や運送効率を高めるために圧縮コンテナなどが利用されている。こうした技術を応用して、海上輸送の効率化を図ることが必要である。

4.3 リサイクル関連法との関係

リサイクル関連法によって離島でもリサイクルが進み、ごみ問題の解決に大きく貢献している。容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(以下、容リ法)によって従来はそのまま埋め立てされていたびん、缶、プラスチック類が資源として回収されるようになった。

容リ法では、指定保管場所からの輸送はすべて容リ協会が負担することになっているが、自治体内における指定保管場所までの輸送費は自治体が負担することになる。指定保管場所は基本的に1自治体1カ所とされているため、小さな島がたくさんある自治体では、人口が少なくても収集運搬しなければならず輸送費が嵩むことになる。竹富町は容リ協会と協議の上、指定保管場所を5カ所認めてもらっているが、あくまで例外的な措置である。

ちなみに自動車リサイクル法では、離島対策支援事業として離島から本土への使用済み自動車の海上輸送費用のうち8割を助成している。離島では廃自動車対策が特に深刻な問題であったことから、こうした配慮がなされたものだが、他の廃棄物においても離島独自の問題については制度運用への配慮が必要である。

4.4 漂着ごみ対策

環境省は2013年3月に、都道府県の関係機関に対して、漂着ごみの発生抑制対策を効果的に実施するために必要な施策や事例をまとめた「海岸漂着物流出防止ガイドライン」を公表した。海岸漂着物処理推進法および同法に基づく国の基本方針では、都道府県は必要と認める場合は、海岸漂着物対策を推進するための地域計画を作成するものとされており、ガイドラインは地域計画の参考としてまとめられたものである。

この中では、環境教育や海洋ごみ、漂着ごみ問題に関する啓発活動のほか、森林や河川管理部局による上流対策、水産部局による漁具等の適正管理や引き上げごみの買い取り制度などが提案されている。飲料容器のデポジット制度(ローカル・デポジット)や漁具に前払い処分料金を徴収する等の提案もある。政策の実現性や妥当性について論ずる紙幅はないが、現状では都道府県が離島の漂着ごみに対して計画的な施策を講じているとは言いがたい。前述したように漂着ごみは島外で発生し、離島に漂着するものがほとんどであり、回収や処理の責任を離島に押しつけることはできない。国や都道府県が積極的に取り組むことが必要である。

4.5 ごみの発生抑制と島内循環

宮古島では島内の泡盛メーカー3社が共通のリユースびんを使っており、島内でリユースされている。条件が整う島では島内循環を目指し、できるだけ島外からの物資の流入を抑制することが望まれる。また観光客に対する散乱ごみ対策として、ローカルデポジットも有効である。大分県姫島(人口約2,000人)では1984年から空き缶の散乱防止を目的としてローカルデポジットを導入し、熱海市初島(はつしま)でも98年から飲料缶のローカルデポジットを実施している。八丈島では1998年から2003年まで、飲料缶とPETボトルのデポジットが試行された(*5)。飲料容器のデポジット制度については様々な議論があるが、離島では散乱したごみを回収するためのマンパワーも少なく、監視の目もいきとどきにくい。こうしたエリアではデポジットの仕組みが有効であろう。またチャム島のように、使い捨て容器包装を規制し、リユースびんやマイボトルを普及するなどの方法も考えられる。離島の環境を守るためには、離島ならではの独自の施策の導入を検討する必要があろう。

  • *1 沖縄リサイクル運動市民の会・離島のごみ処理とリサイクル研究グループ:離島のごみ処理とリサイクルの現状報告書」(2012)
  • *2 山本耕平:NGOよる3R経験の移転(ベトナム・ホイアン市におけるケーススタディ)、第22回廃棄物資源循環学会研究発表会論文集(2011.11)
  • *3 日経新聞:2014年12月22日
  • *4 環境省:漂流・漂着ゴミに係る国内削減方策モデル調査総括検討会報告書(2009、2011)
  • *5 東京都清掃局:八丈島デポジット事業検証調査報告書(2000)

Tourism and the3Rs on a Remote Island

Abstract

On a remote island, solid waste is one of the commonly identified impacts of tourism. Although tourism brings in much needed financial resources to a remote island, it also generates difficult-to-manage wastes, such as packaging. Remote islands usually have very limited financial, institutional and skilled personnel to handle these kinds of waste streams. For these reasons, it is o on difficult to establish regional solid waste treatment facilities. Marine litter ends up in the ocean, resulting in significant health and environmental issues. Remote islands are unable to cleat with these emerging threats due to their lack of finances and skilled human resources.

Recycling specifically for remote islands has been developed based on relevant recycling laws, however, there are a number of issues and challenges still to be addressed. These include waste disposal fees, requirement of authorized licenses for shipping, as welt as sorting and storage. To reduce and manage the amount of waste being generated, it will be essential to implement innovative policies and strategies on remote islands, so as to establish recycling processes that allow circulation within the island itself, to introduce local d posit systems for litter management and to regulate one-way containers and packaging use and disposal for island solid waste streams.

Keywords: regional treatment on a remote island, shipping waste, marine litter, circulation within the island