ニュースレター Vol.1
昨年の11月7・8日の両日、神戸市で「第1回 全国まち美化シンポジウム」(主催:全国まち美化シンポジウム実行委員会・地域交流センター/共催:神戸市・財団法人日本環境協会)が開催されました。
このシンポジウムでは、地域の美化活動に携わる市民グループや自治体の美化担当職員、飲料メーカー等の企業関係者が一堂に会し、「ポイ捨て条例のその後」「公共空間と美化システム」「まち美化活動におけるパートナーシップ」といった、まちの美化活動と美化システムにおける課題について、幅広く活発な議論が行われました。
そしてその席上、美化活動に関する議論と情報交換を今後進めるための全国的な場として、「全国まち美化連絡会議」が、参加者全員の賛同を得て設立されました。
散乱ごみへの取り組みは、昭和50年代に、条例制定や「530(ゴミゼロ)運動」などの動きがあり、その後、自然公園等でのごみの持ち帰り運動や、河川、海岸などのクリーンアップ活動などへと広がりを見せています。
また最近は、全国で「ポイ捨て防止条例」の制定が相次ぐなど、散乱ごみについての関心が高まり、環境保全団体や市民グループのなかでも、環境保全活動の一環として散乱ごみの回収や清掃・美化活動を展開するところが多くなっています。散乱ごみ問題は、ワンウェイ容器の消費の増大が一因とも考えられますが、それと同時に、公共の空間を美しく整備し、維持管理していくための仕組みがないことも大きな問題となっています。
こうした問題を解決していくには、行政−企業−市民の役割分担による公共空間の維持管理システムの構築・ごみ容器の設置や管理の仕組み・ごみのポイ捨て行動を抑制する手法の確立・清掃活動の効率を高めるための機材や用具の導入と技術開発など、社会システムと技術の両面で、さまざまなアプローチを試みることが必要となっているのではないでしょうか。
この「全国まち美化連絡会議」は、散乱ごみ対策についての仕組みや技術について、自治体をはじめとする行政機関、市民活動グループ、企業、研究者等が議論し、ノウハウの交換を進めていく幅広い意見交換の場としていきたいと考えています。