これまでの取り組み

ニュースレター Vol.5

 近年、美化対策が各地で広がりを見せ、市民からの要望などを受け、「ポイ捨て禁止条例」が各地の自治体で制定されはじめております。しかし条例の効果については、各自治体のなかでも議論があるようです。
そこで、条例制定状況を中心として各地のポイ捨て禁止対策の現況を把握するため、すでにポイ捨て禁止・美化関連の条例等を制定されている自治体を対象に、「ポイ捨て禁止条例等に関するアンケート」を実施いたしました。

今号ではアンケートの集計結果を掲載します。

アンケート集計結果の概略

実施概要

実施期間:1998年8月3日〜20日
対 象:ポイ捨てに関係する条例を制定した879自治体
回答数:471自治体(うち人口3万人以上182自治体)/回答率53.6%
※回答率が予想をかなり超え、この問題への自治体の関心の高さが窺える

主な集計結果(いずれも複数回答)

@ポイ捨て防止啓発活動に取り組む自治体は多いが、地域清掃活動への支援例は少ない

 住民に対する啓発を主目的とする、「啓発看板・懸垂幕等の設置」(実施自治体数351自治体/実施率74.5%)、「啓発チラシ・啓発グッズの配布(241自治体/51.2%)などの施策の実施率が高い。
 一方、住民の清掃活動を支援する〈活動支援〉型の施策は、「住民の清掃活動への助成金支出」(100自治体/21.2%)、「地域清掃への清掃用具の貸し出し」(53自治体/11.3%)など実施自治体が少ない。

A散乱の実態調査を行わぬまま条例を制定した自治体が約半数

 条例制定済みの自治体でも、227自治体の48.2%と約半数が「行ったことがない」と答えており、散乱実態を把握している訳ではないことが窺える。
なお、「定期的に行っている」自治体は、60自治体で12.7%である。

B散乱の目立つ場所は、「主要道路」「海・河川や湖沼」」「公園・広場」

 「主要道路」(364自治体/77.3%)、「海、河川や湖沼」(264自治体/56.1%)、「公園や広場」(242自治体/51.4%)が、ポイ捨ての目立つ場所のワースト3として挙げられた。
このほか、人口3万人以上の182都市に限ると、回答率で「駅前広場」(35.2%)「駅前通り」(28.0%)が、全回答数での割合より約15%づつ上昇している。都市部では、これらの場所の散乱も問題になっていることが分かる。

Cほとんどの条例では、「市民・事業者・行政三者の役割」について定めているポイ捨てへの罰則規定があるのは全体の3割

 各地条例の共通項目といえるのが、「市民・事業者・行政三者の役割規定」(411自治体/87.3%)である。
 そのほか、「自動販売機設置時の届け出義務規定」(177自治体/37.6%)、「美化重点地域の指定規定」(155自治体/32.9%)、「ポイ捨て違反者への罰金(罰則)規定」(141自治体/29.9%)、「重点地域等での回収容器等の設置規定」(121自治体/25.7%)など、いずれの項目も条例への導入率30〜40%程度である。
 ただし、人口3万人以上の都市に限ると、「美化重点地域の指定規定」(45.1%)が全回答数での割合より約12%上回り、一定規模以上の自治体では、対象地域を絞って美化推進を図ろうとする傾向のあることが窺える。